トラベルバブル

今回はこちらの記事のイラストを担当しました。トラベルバブルは映画『バブルへGO!!』とは異なります。感染拡大予防対策が十分に施されている国同士が人々の往来をなるべくスムーズに行い、経済を再開させるというお話です。なぜバブルという言葉を使ったのか、私なりに考えてみました。経済バブルと同様、感染拡大を予防しながらの安心・安全な飛行も人間の目にはっきりと映るものではありません。シャボン玉のように一瞬にして消えてしまうものだから、トラベルバブルと呼ばれるようになったのだと思います。

窓の外を見て描く

イラストにある嵐の様子は3度、描き直しました。ネット上にある雷雲の写真も参考にしましたが、雲は自宅の窓からでも観察できます。窓際に椅子をおいて、まずは晴天下の雲をスケッチ。雲は風によって一瞬で形が変わるので、目に焼き付けることに集中します。このイラスト作成中、雷雨も窓の外で観察できました。飛行機も羽田からの離発着便で観察できました。自宅の前の広場では、タイムリーにも子どもたちがシャボン玉で遊んでくれていました。残るは飛行機雲です。飛行機雲は地中海都市のように、真っ青に澄み切った空の下ではよく観察できますが、東京ではなかなかあそこまでハッキリとした飛行機雲を見ることはありません。なので、バルセロナで見た、私の記憶にある飛行機雲を描いたんです。

ところが、最後に飛行機雲が「遅くなってゴメン」とは言わなかったけれど、やってきたんです。

ゴーーーと爆音が近づいてくるので、何事だろう?と思い窓へ近づき外を覗いた瞬間、視界に突如隊列を組んだ戦闘機が!事前にブルーインパルスが飛行することを知らなかった私は、何が起きているのか、もしくは起きてしまったのか直ぐには理解できなかったのですが、とにかく目の前に現れた5本の飛行機雲に集中しました。ブルーインパルスは飛行機雲を演出するために旅客機より低い高度で飛んでいるのか、あの日の風の影響なのか、意外と雲の直線はすぐに崩れていきました。でも、その崩れた煙の姿から浮かび上がってきたのは、巨大な水墨画の白龍。写真を撮る一瞬の時間ももったいなかったので、あの光景は記憶として残しておくことにしました。

トラベルバブルも絵に描いたとおり、弾けることなく実現しますように!!