2022年を振り返ってみて

昨年を振り返ってみれば、一歩踏み出せた年となりました。

2022年の年初めから進めてきた自分のシンボル『私紋』作り。これを広げるにはワークショップ形式を取るのが最適だろうというシナリオを、雑貨屋を営む友人の協力を得て6月から実行。3か月間で約30名近くの友人の協力を得て、運営方法を探りながら10月16日に『私紋スクエア』という名前でソフトオープンに漕ぎ着けました。
はっきり言って、誰がこの海のものとも山のものともつかないワークショップに来てくれるのか。

真剣に考えれば考えるほど前へは進めなくなるので、今は来ていただくお客様一人一人に真摯に向き合って色々と試していく他ないだろう。
なるようになるさ!と楽観的に構えました。
開催場所に恵まれたということもあり、お店に貼り出したパンフレット200部は1か月半で無くなり増刷。
2週間に1度の開催で、12月まで合計6回。17名の方にお越しいただきました。

友人数名以外のお客様は、ネットでワークショップの案内を見て興味を持ち参加を決めていただいたそうですが(パンフレットから来たお客様はゼロ)、その中には新潟や群馬からなんてことも。
これには正直、こちらが驚いておそるおそる尋ねてしまいました。

「このワークショップのためだけに、東京にいらしたわけではないですよね?」
開催しておきながら、なんという質問をするのでしょう。
(新潟の方は他にも用事はありましたが、群馬の方はわざわざ片道2時間半かけてお越しいただきました)

デザインすること、つくること

2022年、良い話ばかりだったというわけではありません。

試験運用を始めた6月、遠ざけていたことに一区切りがつきました。
マレーシアで暮らしていた数年間、妹のように接していた友人が2019年に亡くなったのですが、死因については不明のままでした。
亡くなる2か月前までLINEで相談を受けていたことから、あえて自分から詮索することは避けていたのです。けれど、いつまでも私の中の行方不明者にしておけなかったので探せるところまで探してみることにしました。

これまでも病気、事故、テロで友人・知人を亡くした経験はありましたが、これはまた別の次元で心身に堪えます。
しかし、良くも悪くも過去の経験から想像力をどう使うべきかは足の裏では分かっていたので、起こった出来事を感情任せにはせず、自分なりの整理ができたのだと思います。
これが20年前だったら、おそらく違ったでしょう。

そして9月、現在一緒に働いているメンバーの一人が自分の国を出ることに決めたのです。命の危険を感じて、生きて仕事を続けることを選択しました。大切な人たちを国に残して、一人生きて働き続けるとはどんなものなのか。
自分の努力だけではどうにもならない不条理に遭遇した時、怒りや悲しみにくれるのではなく、それを乗り越えるためにはどうしたらよいのか。
その対処方法は一人一人違うと思いますが、私にとってはデザインをする、つくることなんだろうと思います。

2023年の古代妄想

昨年11月、AERAという雑誌の記者の方から取材を受けました。テーマは推し活の『自分推し』。
なぜ私紋のワークショップに目をつけてくれたのか。それは、性的マイノリティの方がネットでの誹謗中傷に悩んでいた話から出発したようです。
傷ついた心をカウンセリングで癒す精神科医師へインタビューした際、そのカウンセリング方法を聞いて、あれ?この内容どこかでも実践していたような。あ!私紋スクエアだ!と思い出してくれたのです。

私としてもその話を聞いた時は、なるほど!と思ったくらい、カウンセリングを意識して作ったわけではないのですが、結果として自尊心を高めるのに効果的という話。
私紋を考案した当初、『生き方が多様化した現代、LGBTQも含め誰もが使えるデザイン』がコンセプトとしてあったので、まさにビンゴ!だったのです。

さらに嬉しいことが12月にも続きました。静岡県に住む高校生からメールをいただき、オンラインで男子高校生1人、女子高校生2人と話をすることに。
相談内容を伺うと、学校での探究という活動で、彼ら3名からなるチームは『多様性』をテーマに自分たちで考案したワークショップを開催したそうです。しかし、思ったように多様性を表現できず悩んでいたところ、私紋スクエアを見つけコレだ!と思いメールをくれたのです。
自分たちも同じことをしたい、やってもいいですか?と許可を求める話だったので、答えは「もちろん!!むしろ歓迎です!!!どんどん自分たちでやってください」


私一人でこれをやっていくのは到底無理な話です。なので彼らのような学生さんが私紋スクエアを真似して、独自のワークショップスタイルを開発し、この先も探究活動を続けていってくれることは、何よりの喜びです。
友人とも私紋を産んだ甲斐があったね〜と、胸が熱くなりました。

そして、危うく目標達成気分で幕を閉じそうに。
気づけば、まだソフトオープン中・・・

ということで、気合を入れ直して2023年に実施したいこと!

その1. 私紋表札を広めること

その2. 他業種と私紋を組み合わせたワークショップを実施すること

本年も私たちの古代妄想にお付き合いのほど、どうぞよろしくお願い致します。

2023年もよろしくお願いします