片道タクシー料金3500円の岐阜現代美術館

おそらくこの先、往復タクシー7000円を使って行く美術館は数少ないでしょう。
岐阜旅行の第一の目的はこのアクセスの厳しい美術館。
あの105歳の現役アーティスト、篠田桃紅さんの作品を観たくて行ってきました!

東京駅から夜行バスに乗り、翌日早朝には岐阜駅に到着。
そこから名鉄犬山線で三柿野駅まで行きタクシーで約15分、木々に囲まれた鍋屋(素敵な会社でした)の敷地内に設けられた岐阜現代美術館。

タクシー以外でのアクセスは、事前予約をすれば運行してくれるという市営バスはありますが関からの乗車のみなので、時間を考え今回はタクシーを利用することにしました。
タクシー代高かったでしょ?だから入館料はいらないわ!と気を使って頂いたのかは分かりませんが、入館料は無料。美術館員もいない無人営業。勿論お客さんの数もゼロ。

はい。つまりはですね、私一人の貸切だったのです。

自分の別荘地のように(実際も別荘など持っておりません)振る舞わさせていただきました。半円状の階段を何度も上ったり下りたり、椅子にこしかけ本を広げて、目の前の大きなガラス窓から霧の立ち込める山々を眺め、優雅な一時です。応接室も覗いちゃいました。お手洗いも利用させていただきましたよ。そしてコンクリートの壁にかかっている篠田さんの巨大なアートは妄想の中で、私は所有者。贅沢な1時間半でした。

篠田さんと言えば、数年前に放送された医師の日野原さんとの100歳越え対談が印象的でしたね。対照的な二人の会話は何度見ても笑ってしまいます。
日野原さんは昨年旅立たれ、105歳になられた篠田さんは『105歳、死ねないのも困るのよ』というタイトルの本を出版されました。これからも一層困りながら線を描き続けてください!

岐阜現代美術館

ヨチヨチ歩きの養老天命反転地

三柿野から養老まで電車で約70分。
2番目の目的地、養老天命反転地に到着!
さすがにテーマパークお一人様は寂しいので、大阪と名古屋から友人も加わり3人でこのテーマパークの狙いを見事遂行させました!
それはつまり、大の大人がヨチヨチ歩きの子どもに戻ることー。

は?ですよね。
分かりますよ。は?と言いたくなるのは。
このテーマパークを創ったのはあの岡本太郎の弟子とまで言われている荒川修作氏と、彼の妻で詩人のマドリン・ギンズ氏の実験的アートプロジェクトなのです。

冊子の説明によると、

養老天命反転地には水平垂直を極力排除し、複数の人工的な地平線を配するなど、人間のもつ平衡感覚や遠近感に揺さぶりをかける仕掛けが施されています。これは、私たちをヨチヨチ歩きの子供の状態に戻して知覚を再構築させるよう隅々まで計算された構造なのです。

たまにですが出会ってしまうんですよね。相手がおかしいのか、自分がおかしいのか分からなくなってしまう人に・・平衡感覚を奪われた時!そんな時は、ぜひ養老天命反転地へ!ヨチヨチ歩きの状態に戻してもらうと平衡感覚や知覚を取り戻せ、シャバへ復帰できます。

そして最後に養老の滝。
養老の滝と聞けば居酒屋しか思い浮かばない人もいるみたいだけれど、ちゃんと名水百選にも選ばれているんですよ。
養老神社境内にある菊水泉を飲むと老いが養われ若返るという言い伝えがあるそうで、帰りに養老ソーダを飲んで帰ろうと思っていたのですが、雨足が強まって急ぎ足になって飲み損なっちゃったの!!養老まで行ったのに・・・老いは養われず・・。
それでも、いいんです。この岐阜アートの旅で若返ることができましたから!

養老天命反転地
養老天命反転地記念館
極限で似るものの家
養老の滝