毛虫のうんち
先週末は友人と三鷹の森ジブリ美術館へ行ってきました。ジブリ美術館はいつも大盛況でチケットを取るのも一苦労。ちょうど宮崎監督の最新短編映画『毛虫のボロ』が公開されたということもあって、チケット予約は困難を一層極めたようです。当初は友人が彼の友達を誘って行く予定だったけれど、都合が合わなくなったそうでラッキーなことに一緒にいけることになったのです。
監督が長年あたためてきた構想、虫から見た世界を今回監督はCGを使って製作されました。音楽はエンディングだけに使用し、あとは全てタモリの声。ミニシアター内では2歳くらいの男の子がお母さんに、「こわい、ママ~こわいよー」と訴えていました。確かにあのタモリの声は怖いですね。毛虫の赤ちゃんのはずなのに、千と千尋の神隠しのカオナシの声にも似ている短い呻き声、下手すれば電車の中で酔いつぶれて眠りについたオッサンの呻き声にも・・・
そして見所は何と言っても、毛虫のうんち。毛虫数十匹が群となってボロギクをムシャムシャとかじり、同じタイミングで排泄。うんちが葉っぱの上をコロコロ、数十匹分のうんちが一斉に葉の上を滑りだすと、毛虫のうんち雪崩。そのうんちが葉っぱから空中に放出され地面にボタボタと、土砂降りうんち。どれが毛虫でどれがうんちなのか、さっぱりうんちなのです。
もう、シアター内のキッズは大喜び。そう、子どもはうんちが大好きですからね。何かとうんちを連呼したがる。そして甲高いキッズの笑い声の中に、重く響く大人の笑い声。
おや?隣席の彼が前のめりな姿勢で笑ってる。
笑顔がとても素敵な人なんですよ。それは知っていますが、ここまで大笑いしているとは!おどろきです。
約15分の上映が終わると、彼は
「あー楽しかったー。サイコー。宮崎さんの作品で一番好きかも〜
さっき僕たちが座っていたクッションは毛虫のうんちだったんですねー」
何でしょう、あの屈託のない笑顔。
はいそうです、私たちがこれ気持ちいいねーと座っていたクッションはクッソンだったのです。
行動経済学者
ジブリ美術館を出たあと、三鷹駅前でコーヒー(彼はクリームソーダ)を飲んでいると、
「絵里さん、予算が限られているのでそこまでの報酬は出せないんですが、研究論文のデザインをお願いできませんでしょうか?」
そう、彼は行動経済学者なんです。アニメーターでもうんち博士でもありません。
れっきとした寄付を研究する行動経済学者なのです。
ということで、デザインする内容は血液型と献血行動。
献血したことないけれど、ふむふむ。面白い内容です。
https://www.jcer.or.jp/column/otake/print989.html
(注:写真の方は友人の先生であって友人ではありません)
『ボランティア活動をすることの社会的影響力が他の人たちよりも高い』という認識はありませんが、ボランティアをしたことで私のポートフォリオを見て医療方面からデザインのご依頼を受けるというハッピーなことはあるので、持ちつ持たれつといった感じでしょうか?
今回のお話しはボランティアで引き受けるわけではありませんが、予算が少なくても喜んでお引き受しますよー。だってねー、毛虫のうんちにあれだけ笑う成人、そうそういないですから。隣で彼の笑い声を聴きながら、いつから私たち大人はうんちを見て、子どもほどに喜ばなくなったんだろう?と考えちゃいました。
もちろん寄付行動を研究している研究者本人に
「あなたの、うんちを見て笑う姿に力になりたいと思いました」とは言えませんけどね。
けれど、それが私の行動要因かなー?
それって私の血液型がO型な上にRH−(マイナス)、つまり+と−を含めた全血液型に輸血可能だから??
