メソポタミアの円筒印章
お台場で開催されているラムセス大王展で青く輝くメソポタミア時代の円筒印章を観てきました。展示品のブレスレット型円筒印章は古代エジプト第22王朝シェションク2世のミイラの右手首にはめられていたそうです。

私紋スクエアのワークショップでもレプリカの円筒印章を紹介しますが、王が身につける円筒印章はさすがと言うくらい、ラピスラズリに金と輝きが違います。



ラムセス大王は他の王と何が違うのか
このブレスレット型円筒印章を身につけていた第22王朝、シェションク2世から3世代遡った第19王朝ラムセス2世。なぜ彼のことを現代の人は大王と呼ぶのでしょう。王に大王をつけて呼ぶのは、このラムセス2世とアレクサンドロス大王くらい。
神話が作られ、語り継がれれるように、人は何か偉大なものに惹かれ、自らも偉大な人物を目指す、と言うのはどの時代にもあること。特に為政者に多いように見受けられますが、最近は『ただの王』では物足りない、『大王』になりたがっている様子の為政者達が世界で睨みを効かせています。しかし、その様子がどこか安っぽい。けれども、その安っぽい大王に憧れる為政者達も数千年の時が経てば、このラムセス大王展のように人々はお金を払ってその人物を一目見ようと集まるのでしょうか?


大王と呼ばれる理由
ラムセス2世が現在、ラムセス大王と呼ばれるにはおそらくですが、
- 統治していた期間が67年と長い
- 建設・公共事業を数多く行い、神殿、宮殿、彫像、石碑と多くの文化遺産を残した
- ヒッタイトとの戦い『カデシュの戦い』では史上初の平和条約を締結した
- 子供が100人以上いた
最後の子供の数は100人以上というところは置いておいても、大王と呼ばれる所以には時には戦いで勝利し、時には平和条約を結び、建造物も含めた芸術品を幾多も残し、エジプト国家を繁栄させたことにあるのだと思います。
カルトゥーシュ
そして私紋作りをしている私が注目したのは、やはりこれ。
ヒエログリフで書かれた王の名前を楕円形で囲んだ、今風に言えば家紋、もしくはロゴ。




ラムセス大王展ではあちこちにカルトゥーシュが出てくるので、それを見つけるのも一つの楽しみ方。戦うだけでなく、時には平和的和解をし、後世に残る文化を残した大王。
この時代の大王になりたがっている為政者達は何を残すのでしょう?

私紋スクエアでは『自分のしるしを作る』ワークショップを開催しています。
詳しくはHPをご覧ください。
