銀座三越で開催された井上先生のトーク&ライブペイントショーへ行ってきました!
井上先生との出会いは私がマレーシアで人物画ばかり描いていたとき、絵について色々と教えて下さった女性の恩師だったことからです。

先生ご自身でも話すのが好きと仰られるくらいですから、トークが8割、ライブペイントは2割。
今回も楽しく笑わせて頂きました!

井上先生が描く無限に広がる空想絵画を見て「どの国のどんな街や風景を参考に描いているのですか?」という質問を受けるらしいのですが、
先生の答えは
「うーん、家の裏庭かな?」です。

この夏、新たに出版された本『イバラード井上直久 ー世界はもっとキレイにみえるー』の中には宮崎監督との対談ページがあるのですが、
監督が着目しているのも日常私たちが目にする路地です。特別な路地でもなくいつも通っている路地です。
本の中で監督はこう話しています。

同じ道を20年以上通っていて、飽きない方法は何かというと、路地をのぞいていく事なんです。
路地をのぞいて、その中に何があるのかということではなくて、どういう風にあらわれ、どう消えていくのかを見るんです。

映画のワンシーンが私たちの記憶に色濃く残ることがあるけれど、それは日常における小さな動きを見続けた形や風合いが映像となるから力強く感じるのだと思います。
特別に世界の絶景ポイントへ行って描いているわけではないんです。

偉人や天才に近づこうとする人の中には、日常からかけ離れた場所へ行ったり、人と違ったことをしないと自分もそうなれないと思い込む傾向があるけれど、それは思い違いでしょう。
目の前に映る対象物をどう見るのかだと思います。

本の中にある偉人2人の対談風景にとても心和む写真がありました。
エプロンをつけた宮崎監督と井上先生の写真の下には

『戸締りをし始める宮崎監督と、突如グランドピアノを奏でる井上さん』

とのキャプションが。自由な感じが何とも言えません、笑。