上野のポンピドゥーセンター傑作展へ行ってきました。
美術館、展覧会、企業展示会場では作品、商品はもちろんのこと、展示方法も気になって自然と目がいってしまいます。
そして今回のポンピドゥーセンターの展示はというと、私にとっては今までで一番見やすい!!とにかく観ていて疲れません。
疲れないというのは、作品に対する解説が読みやすい分かり易いだけでなく、作家の様子や心情が分かるように構成されているので、自然と作品を眺めると同時にその人を知ったような錯覚に陥るのです。
つまりは作品と作家を身近に感じることができるという点で、展示作品が浸透してくるのです。

会場の1階、2階と作品を観て周り、3階の展示場に足を踏み入れた時の「うわっ」という感覚も絵画を展示する美術館ではなかなか味わえないでしょう。
それもそのはず、展示空間を手掛けたのは若手建築家の田根剛さん。新国立競技場でのコンペでも最終選考まで残った、古墳をモチーフに設計を提案した方です。

作品は1906年から1977年までのものを時系列に、1年1作家1作品で展示してあるのですが、第二次世界大戦が終結した1945年の作品だけがありません。
その年には誰も描かなかった、描けなかったのか?
その理由はぜひ展示会場でお確かめください。

そして、ちょっとしたアドバイス。傑作展へ出掛ける前に映画「ミケランジェロ・プロジェクト」を観てから行くと、ふむふむ率がぐっと上がります。
展示会場にあった作品は前衛的なものが多いのでヒトラーにとっては頽廃芸術として価値のないものとされていたでしょう。

 

個人的に私がはっとさせられたのは、1912年のフランティシェク・クブカのことば。

かつて、私はアイディアにかたちを与えようとしていた
今はむしろ、かたちに合うアイディアを探している

今までそんな風に考えたことはありませんでした。

また、ふふっと思わせる作品タイトルは

未来の思い出

1957年、シモン・アンタイの作品です。

 

最後に忘れてならないのは、薄手の羽織るもの。家を出る直前までは持っていかないとと覚えていたはずなのに・・失念してしまい、途中から空腹も重なりダブルパンチで体温が低下。ヨーロッパの傑作に囲まれながら腕を寒風摩擦

おでーん、熱燗、おでーん、Hola ピカソ、おでーん、Allo マティス、あつ~い熱燗S’il vous plait

気分はマッチ売りの少女、私は歩く現代アートとなりました。

 

ポンピドゥーセンター傑作店

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