先週末、13年前に数日間だけアメリカでお会いした女性と再会する機会がひょこっとやってきて、彼女の知人が経営する自由が丘にあるイタリアンレストラン、トラットリア・ジョカトーレに女性4人が集まりました。

積もる話というより、なにせ数日間お会いした間柄なので初対面に近いはずなのですが、その集ったメンツで飲んで食べてしまえば旧知の仲。

女性4人で食べた、そして飲んだ。

ラストオーダー後、その女性の知人であるオーナーシェフが、他にお客さんが残っていないことを確認し、私たちのテーブルで終電まで一緒に飲み語らいました。

そのオーナーシェフは一昔前までプロとして野球の世界でご活躍されていたそうです。(私は野球には詳しくないので存じあげませんでしたが、ネット検索によると90年のドラフトで1位指名ということでした)

シェフはビールを飲みながら今まで何度もしたであろう、野球選手引退後の道のりを話してくれました。

とにかくゼロにすること。過去を過去とし、新しいことを始めるにはゼロから学び積み上げる。これ以外に方法はない、と。

簡単なようで、これができる人は本当に少ない。でもこれができる人は年齢、性別関係なく幅広い層の人と楽しく交流できる。

絵画教室で定年退職者をまとめていた経験から、そう思います。

特に男性は過去に実績があればあるほど、関係のない場にもそれを大事そうに持ち出すんだけれど、話に艶がないっていうか、なーんかカビ臭いんだよね。
本人はフローラの香りに包まれている表情だから、こちらもニッコリとカビキラーを手にちゃんと話に耳を傾けていましたけどね♪

それよりもゼロから新たにスタート切って試行錯誤していることを話してくれた方が、会話はぴちぴち踊っているし、なんせカッコイイ。
香りで例えると、シーブリーズかな。

シェフがレストランを始めるとき、彼の知り合いで電通勤めの人に相談をしたところ、このような返事が返ってきたそうです。

「お前はこのお店を5年後も続けていたいか?続けたいなら俺に頼まない方がいい。俺たちが仕事をすれば一時的には人気がでるけれど長くは続かない。長く続けたいなら口コミでファンを増やすしかないよ」

宣伝広告は起爆剤ではあるけれど安定剤ではないから、その通りだよね。

もちろん、そのシェフのお店は5年以上経営を続けられているそうです。

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